会津若松の末廣の創業は、嘉永3(1850)年。150年を超える伝統の嘉永蔵は、手づくりの伝承を守りつつ、最新鋭の技術も生かして、進化し続けています。現当主は七代目。
末廣は、野口英世と深いゆかりがあります。貧しい家に生まれた野口は、父とも慕った医師の小林栄の親族が、末廣酒造の新城家でした。その関係から、野口の弟は新城家で奉公し、野口が成功して帰国した際にも、末廣を訪問して、歓待を受けています。
末廣ゆかりの著名人がもう一人。石原裕次郎です。北原三枝と共演した日活映画『山と谷と雲』のロケ地に末廣の嘉永蔵が使われました。
末廣は蔵ミュージアムとして、酒蔵や展示室、ショップやカフェまであつらえた観光スポットとして公開しています。酒造りの見学が一番の見どころですが、その前にまず、堂々たる日本家屋の威風に圧倒されることでしょう。伝統の嘉永蔵は、明治・大正時代に作られており、会津若松市歴史的景観指定建物となっています。
末廣の蔵ミュージアムの魅力は、伝統的な酒造りの説明を受け、見学することですが、他にも昔の酒造りの道具が展示してあったり、昔住んでいたという100年前の住居、かつての土蔵はコンサートホールとしても使用されていて、盛りだくさんです。見学の後は、酒蔵カフェ「杏」で休憩。嘉永蔵には四つの蔵が残されていますが、その中でも最も古い明治25(1892)年に建造されたものです。メニューも仕込みに使う名水を使ったコーヒーや、大吟醸を使ったシフォンケーキなど、酒蔵ならでは。最後は、酒蔵ショップで、試飲を楽しみつつ、直売店ならではのショッピングを楽しんでください。
末廣の酒蔵ショップは、直営店ならではのラインナップ。昔ながらの手づくりにこだわる末廣の酒は、数量限定品も多く、一般の店舗では手に入りにくいものも多数ありますので、ここでの品揃えはファン垂涎です。中でも、季節限定の「初しぼり」や「純米吟醸無濾過生原酒」、嘉永蔵限定の「嘉永蔵しぼりたて」や「嘉永蔵 白吟の華 にごり酒」などは要チェック。
さらに、野口英世にゆかりのある末廣では、フラスコの形をしたボトルに詰めた純米吟醸「Dr.野口」が販売されています。
末廣 蔵ミュージアム (末廣酒造 嘉永蔵) |
福島県会津若松市日新町12-38 | |
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http://www.sake-suehiro.jp/kurakoubou/kurakoubou.html | ||
アクセス | お車の場合 | 磐越自動車道 会津若松I.C.より約15分 |
公共交通の場合 | JR会津若松駅より市内周遊バス「ハイカラさん」大和町下車すぐ | |
入場について | ★予約不要 | 気軽にお立ち寄りいただけます |
営業時間 | 8:30〜17:00 | |
休日 | 年末年始 | |
施設 | 工場見学 | 予約不要/案内があります |
展示・見学 | 展示・見学 | |
売店 | 酒蔵ショップ(試飲コーナーあり) | |
飲食 | 酒蔵カフェ「杏」 | |
体験 | 蔵人体験“my酒造り”:毎年11月〜翌2月まで |
蔵ミュージアムの後は、徒歩5分のところにある「野口英世青春館」にも足を運んでみてください。ここは、野口がやけどを負った手の手術を受けた「旧会陽医院」を資料館としたもので、1階は喫茶店、2階が資料館となっています。野口はここで書生となり、医学の基礎を学びました。また、青春館のある通りは、「野口英世青春通り」と名づけられています。
また、車で10分も行けば、会津若松のシンボル「若松城(鶴ヶ城)」です。現在は鶴ヶ城公園となっており、城址は博物館として展示公開しています。他にも園内には県指定重要文化財の「茶室麟閣」、城から徒歩15分行ったところには国指定名勝松平市庭園「御薬園」があります。